日生の牡蠣
日生の牡蠣

牡蠣の生産地と言われて、どの都道府県をイメージされますか。
住んでいる地域や食べたことがある牡蠣の生産地にもよるかもしれませんが、広島県と答える方が多いかもしれません。
また、宮城県を挙げる方もいらっしゃることでしょう。
ここでは、国内の牡蠣の生産量と、牡蠣養殖についてご案内していきます。

■全国生産量ランキング


牡蠣はその多くが養殖です。
2020年度の牡蠣の養殖生産量は、日本全体で158,900トンでした。
牡蠣の養殖生産量、全国一は広島県で96,000トンです。
次いで宮城県が18,200トン、日生のある岡山県は15,300トンで第3位にランクインしています。
牡蠣というと広島県のイメージが強いのは、その圧倒的な養殖量です。
例年、全国の生産量の6割程度を占めています。
宮城県は寒い地域にありますが、広島県と岡山県の共通点は瀬戸内海が養殖場という点です。

■西の牡蠣と東の牡蠣

牡蠣の二大生産地は比較的温暖な気候の西日本の広島県と、雪国である東北地方の宮城県に分かれています。
野菜のように産地リレーをするわけではなく、いずれも生産量が高まる旬の時期は晩秋から春先にかけてです。
何か違いはあるかというと、たまに言われるのは、広島県産は粒が大きく、食べ応えがあるもののあっさりとした味わい、宮城県産は粒が小さいものの濃厚な味わいということです。
もっとも、牡蠣の味わいは養殖された海域によっても大きく異なり、同じ広島県産でも、海域によって味わいに差が生じます。

■牡蠣養殖に適した漁場

牡蠣養殖の生産量全国第1位の広島県と、第3位の岡山県は瀬戸内海で養殖をしており、全国第2位の宮城県は太平洋に面した三陸海岸エリアの松島湾が主な漁場です。
瀬戸内海は温暖な気候で穏やかな海として知られていますが、宮城県は太平洋側とはいえ雪が降る寒い地域です。
水温などが大きく異なるわけですが、違いがあるのに牡蠣がよく育つのはなぜでしょうか。
養殖牡蠣が元気に育つ条件として、波が穏やかで、栄養となるプランクトンが多いことが挙げられます。
牡蠣養殖では筏を使うのが一般的ですが、波が荒いと筏が流されるなど、安定した養殖場を形成することができません。
瀬戸内海は内海なので波が穏やかです。
宮城県で牡蠣養殖が盛んな場所も湾になっているので、比較的波が穏やかなのが特徴となっています。
プランクトンが多くなる条件としては、川の河口が近いことが一つのポイントです。
山から流れ出たミネラルが川に溶け込み、ミネラルをエサとする植物性プランクトンが増え、それをエサとする動物性プランクトンが増え、海へと流れ込んできます。
広島県、宮城県、岡山県で牡蠣養殖が盛んな場所は、いずれも大きな河川の河口に近く、プランクトンが豊富な場所です。

■岡山県の牡蠣養殖の名産地


岡山県の中では、日生が牡蠣養殖の一大生産地になっています。
日生の海は島々に囲まれているので、波が穏やかで、筏も壊れにくいので安定した牡蠣養殖ができる場所です。
島山からの養分が流れ込む肥沃な海なので、ほかの海域に比べて成長が早いのも特徴です。
台風で海が荒れる時には、漁師さんが総出となって筏を風当たりが少ない場所に避難させるなど、手間をかけて大切に育てられています。
例年10月20日頃から牡蠣の収穫がスタートし、3月頃まで続きます。
最もおいしい時期は、寒さが厳しい2月頃です。

■まとめ


牡蠣の養殖生産量は、全国第1位が広島県で国内の約6割を占めます。
次いで宮城県、日生のある岡山県は第3位でトップ3にランクインしているのです。
牡蠣養殖が盛んな海の特徴として、波が穏やかで筏による養殖がしやすく、栄養分が豊富で牡蠣が元気に育つことが挙げられます。
以上、牡蠣の生産量についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
           
 
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