日生の牡蠣
日生の牡蠣

冬になると旬を迎えるのが牡蠣です。
栄養豊富であるだけでなくどんな料理にしてもおいしいのが特徴の食材と言えるでしょう。
牡蠣フライや鍋にするのはもちろんのこと、生で食べるのが好きだという人も多いのではないでしょうか。
一方で、気になるのが牡蠣を食べると食あたりしやすいということです。
そもそもなぜ牡蠣を食べるとお腹を壊しやすくなるのでしょうか。

■牡蠣を食べるとなぜ食あたりする?

日本人は、世界的に見ても珍しく魚介類を生で食べたがる国民として知られています。
魚やエビ、貝などを刺身やお寿司にして生で食べるのが好きだという人も多いでしょう。
もちろん牡蠣もその中に含まれる食材です。
とはいえ、牡蠣の食あたりのしやすさはほかの魚介類に比べて群を抜いています。
ほかの魚介類でも鮮度が悪ければお腹を壊しやすいのは事実ですが、牡蠣はそれとはやや性質が違うとは言わざるを得ません。
なぜかといえば、牡蠣自身がウイルスを保持していることが多いからです。
最近ではノロウイルスという言葉をよく聞くようになりました。
実は、牡蠣はこのノロウイルスをほかの魚介類よりも吸い込みやすい生き物なのです。

■なぜ牡蠣がウイルスを持ちやすい?

では、なぜ牡蠣はウイルスを保持してしまうのでしょうか。
原因は人間が担っています。
人間がノロウイルスにかかってしまうと、激しい嘔吐や下痢に見舞われてしまうことが少なくありません。
人間の体内から排出されたウイルスは、通常は下水を通じて洗浄されます。
洗浄された水はきれいになって海に流れていくのですが、とはいえそれだけでは完全にウイルスは死滅しません。
生き残ったウイルスは海を漂う植物プランクトンのエサになります。
そして、ウイルスを持ったプランクトンを牡蠣が食べてしまうことで、病原となってしまうのです。
こうした事態は漁で引き上げられた牡蠣が人間の口に入ると連鎖していきます。
冬になると必ずといって良いほどノロウイルスが流行ってしまうのは、こうした流れが裏に隠されているのです。

■牡蠣以外の貝もウイルスを持っている?

もちろん、こうした話は牡蠣に限った話ではありません。
牡蠣と同じような二枚貝はおしなべて植物プランクトンをエサにするので、多かれ少なかれウイルスを保持しています。
とはいえ、すべての貝が生で食べられるわけではありません。
たとえば、シジミやアサリは牡蠣よりも多くのノロウイルスを保持していることがあります。
とはいえ、シジミやアサリを生で食べる人はほとんどいないでしょう。
味噌汁やスープとして調理する過程で加熱されるので、食べる頃にはウイルスが死滅しているのです。
また、ウイルスは通常貝の内臓に取り込まれます。
そのため、ホタテやハマグリのように、内臓ではなく貝柱を食べる場合はあまりウイルスの影響を受けません。
一方で、牡蠣は内臓ごと食べるのが当たり前なので、ほかの貝よりも食あたりしやすくなってしまうのです。

■牡蠣のウイルスに当たらないためには?

一番のウイルスを避ける方法は牡蠣をしっかりと過熱することです。
ウイルスのほとんどは熱に弱く、100℃前後で熱すれば死滅してしまいます。
また、調理の過程では念のため手袋などをして内臓に触れないように注意しましょう。
とはいえ、生牡蠣が好きだからどうしても食べたいという人もいるでしょう。
その場合は、加熱用ではなく、必ず生食用と書かれた食品を買うようにしてください。
新鮮な牡蠣はウイルスが活性化しておらず、比較的安全に食べることができます。

■まとめ

念のために言うと、ノロウイルスにかかる原因は牡蠣だけに限りません。
人から人へと感染するパターンもあります。
むしろ、冬になると免疫力が落ちるので、栄養が豊富な牡蠣を食べることで健康になるでしょう。
注意しながらおいしく牡蠣を召し上がってください。
以上、牡蠣のウイルスについてのご説明でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

           
 
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