日生の牡蠣
日生の牡蠣
亜鉛が豊富で、海のミルクとも呼ばれる栄養価たっぷりのカキですが、漢字で表すとどのような漢字で表されるかご存知でしょうか。
今回は、カキの漢字について由来などを含め掘り下げてご紹介していきたいと思います。

■カキは漢字でどのように書く?

カキという漢字は、「牡蠣」と記載します。
牡蠣の「蠣」が「蛎」の字になって「牡蛎」と記載することもありますが、これは「蛎」が「蠣」の略字にあたるため、どちらの漢字で記載しても決して間違いではありません。
ただ略字となるので、パソコンなどで変換すると「牡蠣」という字で表されます。
実はそもそも「蠣」という1文字だけでも「かき」と読むことができます。
蠣は、砥石や硬いという意味を持つ漢字であり、牡蠣の殻が非常に硬いということから「蠣」という漢字を使われるようになったと考えられているのです。
虫へんの漢字を使っているので、虫ではないのに海の生き物である貝類に虫へんの漢字が使われたのか疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
中国では、動物や魚以外の生き物については虫へんが付けられることも多く、貝類である牡蠣にも虫へんの「蠣」という字が付けられています。
たとえば、蛤(ハマグリ)や蜆(シジミ)、栄螺(サザエ)、浅蜊(アサリ)といったほかの貝類にも虫へんが付けられています。
貝類には虫へんが使われていることが非常に多いのです。
しかし、なぜ「牡」という字が一つ加えられているのでしょうか。

■牡蠣という漢字はどうして生まれたか

牡蠣という字には、「牡」という字が入っています。
これは動物でいうオスという漢字だということは、皆さんもご存知のことでしょう。
しかし、なぜ牡蠣に牡という字が入っているのでしょうか。
その理由は、中国では牡蠣が全部オスであると勘違いされていたためです。
精巣の白子は白いために白子という名前が付いています。
また、オスの貝は生殖器が白い色をしていることが多いことから、中国では白い色をしているとオスというイメージが強くなってしまい、牡蠣はどの貝も白いために中国の人たちは「牡蠣はどれも白いから全部オス」というように解釈をしていました。
そのために、牡蠣がオスの貝という意味で牡蠣という字が使われていました。
ところが、本来は牡蠣はオスだけではなく、メスも生息しています。
ただ、その見分けは非常に難しいので、素人ではなかなかわかりづらいのは事実です。
しかも、専門家の方でもなかなか見分けがつかないと言われているほど、性別の区別は困難を極めます。

■海の神秘!牡蠣の性別が変わる!

実は、下記の性別の判定は専門家であっても難しいとお伝えしましたが、そもそも牡蠣の生態は非常に珍しいものであり、オスとメスの性別がたびたび変わってしまうということがあります。
また、種類によっては、雌雄同体のものがあるというものもあり、非常に複雑な生態を持っている貝類です。
私たちに最も親しみのある冬に旬を迎える真牡蠣は、性別が入れ替わる種類の牡蠣です。
真牡蠣は生殖期が終わると中性の状態になり、さらに産卵期になって栄養状態が良く足りているとメスになり、一方で栄養状態が悪い状態だとオスになります。
そのため、真牡蠣についてははっきりとして雌雄の区別がつきにくいという特徴があります。
もし、牡蠣の性別を判別しようとする場合は、肉眼では判定ができないので、一般的に顕微鏡を使って判定することができます。

■まとめ

カキという漢字は、「牡蠣」と記載され、「牡」という漢字は中国で牡蠣は性別がすべてオスばかりと勘違いされていたことから、オスという漢字を使った「牡蠣」という漢字が生まれました。
実際には牡蠣にはメスもいて、性別が入れ換わることや雌雄同体の牡蠣もいるなど、貝類の中でも非常に神秘的な生態を持つおもしろい生物です。
これから牡蠣を召し上がる時は、牡蠣の漢字の意味やメスオスが入れ替わるという貴重な生態であることを頭に入れて召し上がるとより楽しめるかもしれません。
以上、牡蠣の漢字についてのご解説でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 
           
 
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