真珠というと乳白色の中でも光が当たることによってオーロラのように輝く美しさが魅力ですが、その真珠が牡蠣でも取れるということを聞いたことはありませんか。
真珠というとアコヤガイで有名ですが、牡蠣から真珠は本当に取れるのでしょうか。
真珠とは

真珠は、二枚貝の殻の中にできる宝石で、生体鉱物と呼ばれています。
貝類などのような軟体動物は、自分の柔らかい体を傷付けないよう保護するため、自ら貝殻を作って体を覆うといった力を持ち合わせているのです。
この外套膜から、炭酸カルシウムなどの成分を分泌することで貝殻が作られています。
牡蠣で言うと黒い部分が外套膜にあたります。
そして、貝殻成分を分泌する外套膜が、偶然貝の中に入り込むことによって私たちのよく知っている真珠が作られるといった仕組みです。
私たちがアクセサリーなどに使っている宝石のほとんどが、アコヤガイから取れる真珠で作られています。
二枚貝ならどの貝にもできるもの?
二枚貝だからといって、すべての二枚貝に真珠が生成されるといったことは決してありません。
外套膜が分泌された真珠層を持っている貝のみが作ることができます。
たとえば、黒真珠として有名な黒蝶貝や白蝶貝、マベ貝などがあり、そのほかにも安価で知られる淡水真珠は、淡水で生息しているイケチョウ貝、ヒレイケチョウ貝から作られます。
牡蠣から真珠が取れるのは本当か?
先ほど挙げた二枚貝の中には、牡蠣は含まれていませんでした。
では、牡蠣では真珠が取れるといったことはないのでしょうか。
実は非常に稀ではあるのですが、実際に牡蠣から真珠が生成されたというケースはこれまでにあります。
最近でも、2022年に韓国で牡蠣を食べていた女性が牡蠣の中に真珠を見つけたということでも話題になりました。
実は、日本でもSNSなどでしばしば牡蠣を食べた時に白い球を見つけたという方も何人かいらっしゃいます。
というと、牡蠣にも真珠層があるのかというと、そうではありません。
牡蠣には真珠層がないのですが、真珠層を持たない貝でも真珠に似たようなものを作り出すことがあります。
たとえば、海外ではカリフォルニア近海に生息するクジャクアワビからアバロン真珠と呼ばれる真珠が取れますが、このクジャクアワビも真珠層を持たない貝の一つです。
ムール貝やアサリ、ハマグリでもこれまでに真珠が生成されたという事例もあります。
牡蠣も同様に真珠層を持ちませんが、ごく稀に真珠のようなものを作り出すことがあるのです。
ちなみに、この牡蠣の中に真珠が入っている確率は12,000分の1で確率的にはかなり低いものとなります。
牡蠣から生成された真珠の価値は?
牡蠣から出てきたといっても真珠は真珠です。
それなりに売れば高価な値段が付くのでしょうか。
真珠が市場で取り引きされるような売り物になるものは、やはりサイズが大きかったり光沢があったりなどして、美しいことから宝石としての価値が上がります。
牡蠣から取れるようなサイズの小さな真珠は、あまり光沢もなくサイズも小さくいびつであることが多いことから、売り物としての価値は非常に低いです。
淡水真珠がリーズナブルで、アコヤガイの真珠は高価だというのと同じです。
そのため、あくまで真珠が入っていたとしても大きな価値はありませんので、ご自宅で記念として保管されておくのが良いでしょう。
まとめ
牡蠣の中は、稀ではありますが、真珠が生成されて入っているというケースは実際にあります。
ただし、その確率はわずか12,000分の1ですので、たまたま入っていたらラッキーというレベルと言えるでしょう。
ただ、これから牡蠣を召し上がる機会がある際は、牡蠣を味や食感で楽しむだけでなく、もしかしたら真珠が入っているかもしれませんので、ぜひ食べる際にはもしかしてを期待して注目されてみてはいかがでしょうか。
以上、牡蠣の真珠についてのご説明でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。